名古屋駅近くで、気取らずに艶っぽい和食時間を過ごしたい夜にしっくりくるのが「地酒と創作和食 吟」です。扉を開けると、肩肘張らずに過ごせる落ち着いた空気が流れていて、会食にも、少し大人っぽい食事にも似合う一軒でした。
この日印象的だったのは、まず特選熟成和牛ミスジユッケです。艶やかな赤身に卵黄がとろりと重なり、ひと口いただくと、和牛ならではのやわらかさと濃密な旨みがじんわり広がります。見た目の華やかさだけでなく、口当たりのなめらかさまで美しく、最初の一皿として気分を高めてくれました。
続いていただいたいくらおろしは、みずみずしいおろしの軽やかさに、いくらのぷちっと弾ける食感と塩気が重なり、思いのほか上品な余韻です。濃厚な一品のあとにいただくことで、食事全体に心地よい緩急が生まれます。
さらに、胡麻カンパチは印象以上に完成度の高いひと皿でした。ほどよく脂ののったカンパチに胡麻の香ばしさが寄り添い、和食らしい落ち着きの中に、しっかりとした満足感があります。派手さに頼らず、きちんとおいしいという安心感がありました。
そして、卓上で温めながら楽しめるコーチン味噌鍋が、この日の食事をぐっと名古屋らしいものにしてくれます。味噌のコクはしっかりありながら重たすぎず、鶏の旨みや野菜の甘みをきれいに引き立てていました。湯気までごちそうに感じるような、落ち着いた贅沢があります。
肉の艶やかさ、魚介の瑞々しさ、そして鍋の温もり。ひと皿ごとに表情が異なり、気軽な価格帯でありながら、どこか“いい夜だった”と思わせてくれる余韻がありました。名古屋駅エリアで、和食をベースに少し華やかな気分を味わいたい日に、覚えておきたい一軒です。
地酒と創作和食 吟 名古屋駅店
愛知県名古屋市中村区椿町10-5 サンタウン名駅椿本館5F
052-526-0775





