博多駅前で、気負わずに和食を楽しみたい夜に伺ったのが「博多うかい 博多駅前店」でした。雨に濡れた街並みの中、白い提灯がやわらかな灯りを落とし、店先からすでに落ち着いた空気が漂います。にぎやかな駅前にありながら、扉の内側には少し温度の違う、静かな時間が流れていました。
店内は個室中心のつくりで、周囲を気にせずゆったり過ごせるのが魅力です。博多駅前という利便性の高い立地でありながら、食事と会話にきちんと向き合える距離感が心地よく、普段使いにも会食にも使いやすい一軒だと感じました。
最初にいただいたお通しは、冷製茶碗蒸し。ひんやりとなめらかな口当たりで、やさしい出汁感が広がります。小さな一品ながら、食事の始まりを丁寧に整えてくれるような存在で、この一皿だけでも店の真面目さが伝わってくる気がしました。そこに冷えたビールを合わせると、仕事終わりの一杯としても実に心地よく、最初の掴みとしては十分です。
続いていただいたお刺身3点盛りは、かつお、白身、サーモンの盛り合わせ。黒い器に端正に並べられた姿が美しく、見た目にも品があります。脂ののりや食感の違いを楽しめる構成で、華やかさを過剰に演出せず、素材をまっすぐ味わわせてくれる潔さが印象的でした。
手羽揚げは、香ばしさとほどよい甘辛さが絶妙でした。こんがりとした焼き色が食欲を誘い、ひと口ごとにビールが進みます。レモンを絞ると後味が軽やかになり、和の流れの中に自然なリズムを生んでくれる一皿でした。こうした少しカジュアルな品が挟まることで、全体のバランスがより親しみやすくなっていたように思います。
そして、やはり印象に残ったのは博多おでん盛り合わせです。大根、たまご、ごぼう天、餃子巻き、ちくわ、もち巾着と、内容も充実しており、どの具材にも出汁がじんわりと染みています。派手さではなく、静かな満足感をくれる味わいで、こういう一皿に出会うと、和食の魅力は出汁の深さにあるのだとあらためて感じます。特に雨の夜には、この温かさがいっそう沁みます。
食後は本日のアイス。この日は抹茶アイスでした。鮮やかな緑が目にも美しく、濃すぎないやさしい甘さで、食後を軽やかに締めくくってくれます。和食の余韻を壊さず、最後まで流れよく楽しめるのが好印象でした。
博多駅前で、個室でゆっくり食事をしたい夜に覚えておきたい一軒です。刺身の端正さ、おでんのあたたかな出汁感、手羽揚げの気軽な満足感。そのバランスがちょうどよく、気取りすぎないのに、食後にはきちんと余韻が残ります。大人がさりげなく使いたくなる、そんな和食居酒屋でした。
全席個室 博多うかい 博多駅前店
福岡県福岡市博多区博多駅前3-22-5 Mビル2号館 1F






